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2023.05.16

着物のいろは〈江戸時代の人もおしゃれに敏感〉日本の伝統色

 

昔の人はどうしてた?着物の選び方!着物のいろは

日本の着物文化は世界でも特異な形態と装飾が見られる衣服だといえます。
四季があり、季節によって天気や気温が変化する日本では、季節ごとに衣類や持ち物を替えてきました。
古来より、季節の花や食べ物、天候の変化を楽しんできたのが日本文化です。目からの視覚情報で季節を捉え、耳からの聴覚情報で季節を感じ取り、鼻や口からの味覚・嗅覚情報を研ぎ澄まし、季節を大事にしてきた文化です。
特に夏冬の季節の変わり目に衣類を改めることを「衣替え」といいます。一般に6月1日と10月1日が「衣替え」の日となっています。
これには、古来からの風習や衣類の歴史が大きく関わっています。

 

江戸時代の衣替えは年4回?おしゃれに敏感な江戸の人々

季節の変わり目に行われる衣替えですが、その風習は平安時代から始まりました。まずは、衣替えの歴史についてご案内いたします。

 

衣替えとは?

季節の変化に応じて衣服を替える風習のことを『衣替え』といいます。日本では多くの地域で、毎年6月1日と10月1日に衣替えが行われますが、2週間前から1か月の移行期間が設けれらるケースも多くあります。

 

古代から中世の時代の衣替え

日本のきものは呉服とも呼ばれています。それは中国の揚子江南部にあった、胸元で襟合わせをする『呉』の国の衣服が日本に伝えられ、それが着物の起源とされております。
中国の風習にならって始まった『衣替え』。衣替えは中国から伝わった習慣で、宮中行事として、旧暦の4月1日および10月1日に夏服と冬服を着替えると定め、これを「更衣(こうい)」と呼んでいました。
更衣室の更衣ですね。時期の指定をし、衣服を改めるようにしたのです。
しかしながら、天皇の着替えを担う女官の職名にも「更衣」が用いられるようになったことから、「衣更え(衣替え)」という呼び名が定着しました。また、鎌倉時代になると、衣服だけでなく畳などの部屋の調度品なども取り換えられるようになっていったのです。※現代でいう「扇子」にも衣替えがあったんですよ!!

 

江戸時代の衣替え

江戸時代になると江戸幕府は年4回の衣替えでの出仕(お勤めにでること)を制度化し、これが一般庶民にも広がりました。

《旧暦》
4月1日-5月4日 袷(あわせ)
5月5日-8月末 単衣(ひとえ)
9月1日-9月8日 袷(あわせ)
9月9日-3月末 綿入り

〈疑問?〉袷?単衣?とは何のこと??
袷(あわせ)とは、現代でいうと裏地がついた着物を指します。こちらは一般的に10月-5月までの間に着る着物です。
また、単衣(ひとえ)は裏地がない着物のことです。昔は6月-9月に着るものとされておりましたが、現代では地球温暖化の影響により、単衣を着用する時期が長くなってきました。

 

江戸時代のおしゃれ

侍はもちろんのこと農民も戦にかりだされた戦国時代は終焉を迎え、徳川家康により江戸幕府が開かれ「泰平」の世の中となりました。戦いが主流の「武士」階級ばかりが幅を効かせる時代とかわり、庶民階級が経済、社会面で勢力を発揮し町人文化が栄えた華やかな時代でもあります。また、環境や用途の違いにより、きものの形や模様付け、そして加工法が現れ、それが階級別に多様なきものの種類を生むこととなりました。
※菱川師宣の「見返り美人図」はこの時代の象徴ではないでしょうか。

 

江戸前期は華やかで大胆な総模様の着物が流行しましたが、江戸後期に目を向けると幕府の財政難により「ぜいたく」を禁止する法令を発令しております。
これまで煌びやかな色や柄の着物を着ていた人々が「禁止令」を出された中、試行錯誤し、新しいおしゃれ方法を考え出します。
ねずみ色・茶色・紺色など地味な色にたくさんの種類を作っていきました。
色の濃さや明るさで違いを出し、できる中でのおしゃれを楽しんだのです(また、この時代は表地は地味な色でも裏地で派手な色にしていたのです。)
「四十八茶百鼠~しじゅうはっちゃひゃくねずみ~」とは、贅沢禁止法という幕府からの御触れがあり、禁止された中でも他の人とは違うものを着たいという庶民の欲求により生まれた色です。おしゃれへの欲求は今も昔も変わらないものですね。試行錯誤して色の中に微妙な色調を工夫して着物を染め上げ、多くのお洒落な庶民達の欲求で生まれたのが「四十八茶百鼠」という色合いです。

 

《まめ知識》
以前は色鉛筆の色も今とは違い「ねずみ色」と呼ばれていました。どうして灰色ではなく、「ねずみ」色なのか?これには、江戸時代は火事が多く、「灰」色は火事を連想させるためにあえて「ねずみ」色と名付けたのではないかと一説があります。

 

~利休鼠(りきゅうねず)~
緑色がかった灰色。江戸時代後期の「四十八茶百鼠」と呼ばれる流行色の一つとなります。

 

~深川鼠(ふかがわねず)~
薄い青緑みの灰色。緑がかった青であり、『 浅葱色 ( あさぎいろ ) 』とよばれますが、この浅葱の色みをさらに抑えた色が深川鼠です。

 

《まめ知識》
茶色は江戸時代の流行であった「歌舞伎」役者の名前をモチーフにした「団十郎茶」「芝翫茶」「璃寛茶」など多くあります。

~江戸茶(えどちゃ)~
黄みの深い赤褐色。江戸時代前期の流行色。

 

~丁子茶(ちょうじちゃ)~
やや赤茶色がかったベージュ、薄い茶色。

 

 

振袖に使われる色

江戸時代は「贅沢禁止法」がだされており、渋みのある色合いでおしゃれを楽しむかがテーマとなっておりましたが、令和の日本ではおしゃれを色で思う存分楽しむことが出来ます。

次は振袖でも人気の高い色のご紹介です。

~赤色~
振袖で使用される「赤」も深紅のような赤から、黒や茶色・紫をまぜたような赤まで様々です。人間にとって「陽・火・血」の赤いものは生きていく根源をイメージし、赤は神聖な色でもありました。
巫女さんの袴も赤ですね。
成人式でも赤色の振袖が多く選ばれており、人気の色です。縁起が良いという意味を持つことから20歳の門出にふさわしい色といえますね。

 

~黒~
漆黒の黒から、茶色が混ざっているような色あいまで様々です。黒留袖や黒引き振袖など、婚礼時にも活躍する色合いです。

 

~白色~
日本人に身近な色「白」。こちらは国旗にも使われており、花嫁さんの「白無垢」、神道に仕える人々も「白」を身に纏います。

 

~紫色~
古来より「冠位十二階」より、紫は位が高い色とされてきました。また、江戸時代には醤油が塩より取引価格が高く、高貴=紫と考えられていた一説もあります。紫は古来より特別な意味を持っていたのですね。

 

~青色~
日本の衣服に用いられる青い色は、藍の葉に含まれる色素で染められております。

 

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